2009-01-01から1年間の記事一覧

お経の意味ーースウェーデンボルグ

お経(聖書)の一語、一句には想像も着かないほど深いものがあるらしい。河口慧海は、お経を築庭法にたとえ、お経に使われる単語は、庭園に植えられる樹木草花岩玉砂に相当する。これの選定ををおろそかにすると、庭としての美しさがでてこないのと同じで、…

法華経と河口慧海ー1

明治24年か25年、河口慧海(26歳ー27歳)が法華経を日本語訳して日本人が簡単に読めるようにと発願した時、法華経の漢訳は 妙法蓮華経 鳩摩羅什訳 8巻 正法華経 竺法護訳 10巻 添品妙法蓮華経 闍那崛多共笈多訳 7巻 があった。 この3巻を河口慧…

不殺生戒ーー殺す無かれ

不殺生戒とは殺すなという教え。人間の根本的な愛、他人を思いやる慈悲心を育て、なくさないための戒律。 わかりやすい戒だが、誤解も多いので紹介します。罪の重さは A.動機 B.殺す相手 により決まります。動機が自己由来(憎しみ、盗むため、娯楽等)であ…

人になる道ーー在家修業法初級編

(2009年6月8日の日記の続き。) 人に生まれて良かったと実感できる幸福を得る道があることを釈尊が教えられた。 日々の欲望、例えば美味しいものを食べたいという欲望を満たしたとしてしても1日もたてば幸福感は無くなる。愛人と楽しく遊ぼうという…

スウェーデンボルグ”と仏教の空

スウェーデンボルグの教説が仏教の空を完全に説明していると思われる。例えば、 スウェーデンボルグ『結婚愛』・P174-P183の要約すると、3つの秘儀が解説されている。 A.人は神の映像として、神に似た形に創造された。 B.鳥獣は(本能として)生存に必要な…

不妄語戒ーー偽証するなかれ

嘘をつかない、という仏教とキリスト教の戒律であり、内容はわかりやすい。これは真実ということに反するからいけないのである。真実とは如来心の一つであり、善のひとつでもある。 日本では子供の教育でも、嘘をつかないようにと教えていて、この戒律は他国…

邪淫とはなにか--不邪淫戒詳細

2009-06-14の日記邪淫 umou.hatenablog.com に触れましたが、これは続きです。 邪淫にはさまざまなものがあります。交通違反でも重い違反と軽い違反があるように邪淫にも酷いものから軽いものまであります。 スウェーデンボルグが詳細に書いています。行為か…

人生の美学ー山岡鉄舟

大森曹玄”山岡鉄舟”は面白い本である。山岡鉄舟は幕末から明治の剣の達人である。明治天皇の剣術師範・警護主任まで勤めた。幕府の旗本であったが、幕府陥落直前に慶喜の降伏の意思を直接聞き、江戸を戦火から救う為、単身薩長の軍陣を掻い潜って静岡まで行…

姦淫するなかれ 不邪淫戒

現代人に最も必要なのが、仏教とキリスト教共通の、この戒律である。イスラム教では実行されているようで、この防止のために結婚した女性はベールを被ったり、家族以外の男としゃべったりしないようにしているらしい。邪淫(浮気)をした場合、サウジでは石…

ノアの方舟 ーー人間の改良過程と仏教

ノアの箱舟 は創世記にでてくる有名な話だ。あらすじは 1.主は地上に人の悪が増大し、心がいつも悪に傾くのを見た。それで人を作ったことを悔やみ地の表から消し去ろうと決められた。 2.ノアは少しだけ見所のある人間であった。 3.地は堕落し、道をみ…

出家修行法は死滅の法

仏教の修業法に出家修行法と在家修業法があることを昨日のブログで書いた。しかし出家修行法は現在では完全に滅びた教えである。 理由: 出家修行法は家庭、財産、職業の完全放棄が前提であり、これは現代では実行不可能になっているためである。250戒の…

仏教の修行法ーー金持ちが天国に入るのはラクダが針の穴を通るのよりむつかしい

仏教の修行法には釈尊が定めた2つの修行法がある。(河口慧海”在家仏教”による。) 在家修行法と出家修行法である。僧侶団(修行者団)は4衆に分けられていてウパーサカ(男の在家修行者)、ウパーシカ(女の在家修行者)、ビク(男の出家修行者)、ビクニ…

フラクタル

1980年代になりコンピューターの計算能力が人間を越えて爆発的に高まり、新しい数学理論であるフラクタルが広く世間に知られるようになった。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB http://ja.wikipedia.org/wiki/%E…

正しい布施と間違った布施

布施とは寄付のことである。 聖書にも、宝は地上の蔵にしまうと、錆びたり、盗まれたり、ネズミにかじられたりするが、天の蔵にしまえば永久不滅である。という意味の話がある。 自分の財はこの世では諸行無常でいつかはなくなるし、死後は自分には役立たな…

誤謬化された真理ーー悪人正機

誤謬化された真理とは、信仰の教義が当初の(釈尊とかキリスト)の教えから遠ざかり、似ても似つかないものにまで改変された教義のことである。 仁慈がなくなった教会の末期で、誤謬化された教義の一番主要なものは以下のようなものである。 人間はいかよう…

宗教の発展なのか退行なのか

文芸春秋2009年6月号に面白い記事がのっている。有名人34人が各々推薦する本をあげた記事で、森永卓郎は『民衆を愛した親鸞』(笠原一男)を取り上げた。森永卓郎の指摘が鋭い。「親鸞が開いた悟りは本当は極楽浄土は存在しない。このないもののために、難行…

諸行無常

諸行とは諸現象という意味。(河口慧海・正真仏教) 無常とは変化するということだ。諸行無常とは現実世界(色)は常に変転する。だから執着して苦しむなという教え。 GMは、かっては目もくらむ眩い超優良企業だったが、今は潰れてしまいそうだ。日本長期信…

空海と最澄

この有名な2人が晩年仲たがいして、空海は最澄を絶縁したと伝えられている。真相は勿論我々には不明であるが、宗教的には絶縁は納得できる点が多い。最澄の誤りがひどすぎるのである。空海のような聖人が絶縁しないほうがおかしいのだ。推測される理由。 1…

苦しみの分類

人間が一生に受ける苦しみを分類した人(神)がいる。釈迦佛である。 1.生存の苦しみ。生活苦とかお金を稼ぐ苦しみ、借金苦などがこれである。 2.老いて行く苦しみ。体が思うように動かなくなる。頭も衰え、どんな化粧品を使っても容色は衰えてしまう。…

新型インフルエンザ対策が日本の危機

新型インフルエンザが流行しだした。この病気自体は大して恐ろしくない。それは皆が大抵知っている。しかしそれへの対策を大騒ぎすることで社会は静かに機能不全に落ちようとしている。学校、保育園が止まり、旅行は止まり、そのうち野球とかも止まり、スー…

汝は罪人

有名なキリスト教の教えだが、その真意はなかなか知りがたいという人が多い。 スウェーデンボルグを読むと、真意とそれを知り難いと考える理由までも良く分かる。 実は仏教でも表現が違うだけで同じことが教えられており、しかもそれが最重要な教えでさえあ…

イエス・キリストの食べても増えるパン

マタイ伝の14章に食べても増えたパンの話がある。概要は 1.イエス・キリストに大勢の人々が付いてきた。食事の頃に弟子が集会を解散させて食べ物を各自が買いに行くように指示をだして欲しいという。 2.キリストは弟子に食べ物を配るように指示した。 …

スウェーデンボルグと仏教信者

スウェーデンボルグの教説はキリスト教の人よりも仏教信者の方が入り易い。例えば 1.聖書を敬虔な信者が真剣に読んでいると、天界の天使がそれを聞きにくる。(スウェーデンボルグ) 仏教では釈迦佛は天使(例えば帝釈天=コウシカ)に説法しているお経が…

鈴木大拙とスウェーデンボルグ

鈴木大拙は戦後、求められて、昭和天皇に仏教を進講し、文化勲章受章者でもある。戦後の仏教界では日本の第一人者といってもよい人物である。明治時代、東大生であった彼は当時の仏教界の星ともいうべき釈雲照の甥である釈興然についてパーリ語を学んでいた…

神は7日で世界を創った(スウェーデンボルグの著作)

旧約聖書の初めは神の天地創造の話である。これは現代の物理の常識からあまりに遠いため一般には全くの作り話としか思わない人も多い。しかしこれは人間の精神の成長段階を表現した話であり、教会の成立の話であるとみると、すごい内容になり、成仏にいたる…

共産主義批判 

”生死自在”(1904年)で河口慧海は共産主義について言及している。その記述は先見性に満ちており現在読めば驚かざるを得ないだろう。 {その後起きた歴史} 1917年にロシア革命が起き、それまでの支配層、富裕層、知識階級への大量殺害が起きた。カ…

契約の石版

モーゼの十戒で有名だが、神が書かれた石板には両面に文字が書かれていたそうだ。 A面には人間が守るべき戒律(契約条項) B面には神が守るポリシー(契約条項) が書かれていたという説がある。(スウェーデンボルグ) 人間がA面の条項(10戒)を守るなら…

因果律入門

因果律とは原因結果の法則のことである。物質間の法則は物理・化学の法則としてよく知られ承認もされている。(例えば運動量保存則とか、水素を燃やせば水ができ、熱がでる)。これを人間の心、行為、境遇、運命にまで対象を広げて関係を(仏が)示されたの…

生死自在 (河口慧海著)

本書は明治37年6月1日に序文が書かれており、その直前の華族会館火曜会での講演録をほぼそのまま刊行したものである。日露戦争は明治37年2月6日から38年9月5日まで続いたので、その最中での講演だったわけだ。第1回チベット旅行から帰国したの…

河口慧海の伝記

河口慧海の伝記には3,4種類あるようだが一番よいと思われるのは河口正 ”河口慧海” 春秋社 2500円河口慧海は6人兄弟の長男で生涯独身であった。チベットから帰国後は、弟の 半端 の家に奇遇していて、食事の世話は半端の妻 よね が主にしていた。半端…