人になる道ーー在家修業法初級編

(2009年6月8日の日記の続き。)
人に生まれて良かったと実感できる幸福を得る道があることを釈尊が教えられた。
日々の欲望、例えば美味しいものを食べたいという欲望を満たしたとしてしても1日もたてば幸福感は無くなる。愛人と楽しく遊ぼうという欲望が仮に実現したとしても、幸福感は短く、続いて起きるのは各種の困難である。家庭は荒れてしまい、相手との板ばさみによる苦悩のみが織り成して起こる。場合によっては愛人が心変わりしてしまう。課長になりたいという願望が実現しても、そこには過酷なノルマと部下と会社の利益相反の板ばさみによる苦労しかなかったりする。

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自分が欲していることを達成することは、何等幸福に繋がらない。
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自分が自覚する欲望は、自分が真に欲していることと異なっている。これが人生の空しさの原因である。ちょうど(東京から)親のいる大阪に行きたいのに、それに気づかず、福島に向かい、長野に向かい、宮城に向かいとでたらめに放浪しているようなものである。真の欲望(親にあう)はいつまでも満たされないため欲求不満が尽きず、幸福にはなれず、空しい。
自分が真に欲していることに気づける人はまれである。
このためには混乱した自己の心情をまず静めることが必要である。
波たち泡立っている湖の底をのぞいて沈んでいる宝をみつけるには、波が静かになるのを待たないといけない。

1.人間が知りうることはほんの一部でしかない。人知を超えた偉大な存在ーー神様ーーと不思議な現象のあることをむげに否定しない。2009−04−26 の日記
http://d.hatena.ne.jp/Newshirogarasu/20090426/1240721265

2.正しい規則正しい生活をする。
大切なのは道徳を守ることである。

A.動物を殺さない。これを心がけることで、だんだん慈悲深いなる。他者への愛情が育つ。自分の子供への教育でもまず是を教える。釣りとか狩猟をやめる。魚釣りは面白いが、魚を自然に泳がせておくほうがいい。釣って放流するのは魚を傷つけていじめたにすぎない。
これにより、病気・事故にあいにくくなる。
自分の寿命が延びる。

B.他人の財産・仕事の成果を盗まない。借りたものはすぐに返す。自分が支払うべきものは、できるだけ早く払う。借金を(できるだけ)しない。
これにより自分が盗難にあいにくくなる。
貧乏に苦しむことがすくなくなる。

C.邪淫をしない。
これにより自分の家庭が楽しい場所になる。子供が不良にならない。

D.嘘をいわない。約束は守る。言葉を大切にする。
これにより他人から信用されるようになる。
また他人の嘘が見抜けるようになり、詐欺にあいにくくなる。

E.深酒しない。酔っ払わない。麻薬とか薬物中毒にならないようにする。タバコもやめる。
これにより心身が健康になる。
タバコの害は驚くべき程に大きい。
たとえば週刊東洋経済2007年3月24日号に、不都合なたばこの真実という特集記事がでている。
酒の害も大きい。詳しくは河口慧海”正真仏教”p164−p170.
喧嘩をしたり、財産を放蕩してつぶしたり、アル中で仕事ができなくなり地位を失ったりする。

これらを5戒といい、これを守ることを”人になる”という。これらを続けていくことで、生活環境は次第によくなり、人生に対する幸福感がましてくる。

ここまでがモーゼがユダヤ人をエジプトから導きだし、途中のオアシスで休息させた話に相当する。
河口慧海法華経”過去行章P182−P191にも全く同じ話がでてくる。