本部道場余録 天声第68号(紀元14年8月号)

 第10回の御説法開始記念日、7月22日は夏らしい良い天気ーー長蛇の列となって次から次にお参りして来る同志は、その様子を変えたご本部の姿に眼を丸くして腹の底から開けゆく神の国をお祝い申し上げ、この14年間の夜を日についでの大神様の御苦労に深い感謝を捧げようと思ったことでしょう。 

 本部道場前の藁葺き屋根の納屋は18日に解かれ、お庭は広々として清々しい感じがするようになり、道場の縁の外には鉄骨が組まれた被いと付座が立派に出来、昨年掘られた井戸端をめぐって、千人分をまかなう手狭まながら立派な炊事場が建てられており、新装の本部も集まる同志も、全てが混然一体となって今日の佳き日をたたえるように見えるのでした。大神様は終始ご機嫌うるわしく、お昼のお祈りの前、御自ら無我の舞をされながら力強い御説法をなされるのでした。御説法に感激を深くして同志一同は暑熱を忘れて無我の歌、無我の舞に、大神様への感謝の誠を捧げました。

 

 夏の修練会をひかえ、それまで何とか給食施設をはじめ宿舎の収容力を増すため、御本館の裏側3軒目の民家を買い入れられて、それを大改造して宿泊出来るよう急遽改造される等、本部近隣の支部の同志や、大工、左官職などの同志多数の夜遅くまでの突貫工事で、18日の夕方、やっと本部の受入態勢が出来たのであります。ご本部に参らして頂いて行ずる者は、大神様、若神様の並々ならぬ御心尽くしに感謝申し上げるのは勿論、これらの仕事にあたられた同志の真心に対しても心から感謝さして頂きましょう。

 

 支部長会議の席上、本部での行について、いろいろ協議された時、若神様から諸施設がだんだん完備して来るにしたがって、まだまだ不便であった往時に比して感謝の念が薄らいで来る傾向があるとすれば、これは大変な問題で、この際お互い同志一人一人が猛反省すべきであるとのご発言があったのであります。昔はリックサックに一杯宿替えする程の荷物を持ってお参りして来、お風呂にしても、小さい五右衛門風呂に入れ代わり立ち代わり入らして頂いた当時のことを思えば、現在の本部での行がいかに便利になったかを考えさせられます。恐ろしいことは、馴れるるということであります。神恩に馴れることなく、感謝を忘れずに行じさせて頂きましょう。

  

 現在本部には、ハワイ州地方支部長平井武義氏をはじめ、日本語学校の校長である児玉剛明氏、ヒロ支部長田中盛治氏、その他河本敏男氏などハワイからだけでも30名からの同志が滞在して行をしておられます。まるでハワイの磨きの会が本部に移ったようだと、意気天をつく元気で行じておられます。いよいよ世界への架橋のハワイと本部の距離が短くなった感がいたします。