姦淫するなかれ 不邪淫戒

現代人に最も必要なのが、仏教とキリスト教共通の、この戒律である。イスラム教では実行されているようで、この防止のために結婚した女性はベールを被ったり、家族以外の男としゃべったりしないようにしているらしい。邪淫(浮気)をした場合、サウジでは石打ちの刑(皆で投石して殺す公開処刑)がたまに行われたりしている。他国は、これを女性解放の敵としてまゆをひそめる。しかし、この戒律自体の重要性は現代でも何等衰えていない。現代社会は、これが犯されたことにより生じる害悪に無知のようである。

あるいは分かっているが止められない。というのが本当かもしれない。イエス・キリストが石打ちの刑が行われようとする所に付いた時、まず自分に罪のない人から石をなげなさい。といわれて誰も石を投げられなかったように、多少のことは皆犯してしまう守りにくい戒律なのだろう。
自分の渇望する愛欲に、理性判断が勝てない。ということで、ひどい場合は 豚が汚物を食い漁るのに似ていなくもない。

失楽園という語がこの事情を語る。安楽な家庭(楽園)を失うと分かっている浮気に何故人は走るのだろうか?

この浮気がいけないのは結婚愛を壊すためである。

この戒が大切な理由。

1.家庭平和は子供の霊的生長に大切である。仲の良い両親に愛情を注がれて育つ子供は、良心ができる。良心がない人間には改良されるチャンスがほとんどない。
2.邪淫が行われた途端、家庭が修羅場になる。火宅になる。
邪淫している家庭では夫婦仲は最悪でお互いを敵意をもって眺め、悪口と皮肉を言い合い喧嘩が絶えない。子供は(不運が家庭を覆うことから)不具になったり、不良になったり、精神病になったり家庭暴力を振るったり、いじめに会ったりと、ありとあらゆる困難が生じてくる。
たとえ親の社会的地位が高くても、教養があっても、金持ちでも、家の中は寒々として荒廃している。
3.邪淫は自分と相手の精神を汚す。正しい宗教に入れる機会が大幅に減る。
死後は地獄(餓鬼・畜生を含め)に行く。
各種の不運(リストラ、交通事故、大病、等)を招くことも多い。
4.子供と妻(夫)を捨てて愛人と再婚して家庭を持ち、子供までできたとしよう。自分の現家族で楽しく談笑している時、必ず自身の心中深く、捨てた家族の苦悩する姿が映り、焦りと苛立たしさが自身を苛む。つまり自分で自分の幸福を呪い続けざるを得ない。これはまさに失楽園である。
5.エイズ・性病、ある種のガン、肝炎等、多くの危険な病気への感染リスクがかなり高い。明治期、日本人の梅毒、淋病感染は50%近かったという話もあるらしい。今の南アを笑えないわけだ。

このように目前の愛欲に盲目的に飛びつく代償は永く大きい。喩えていえば、魚が美味しい餌に大喜びでとびつくようなものだ。餌の中には針があり、それが刺さると一生苦しみ続ける。へたをすると一生が台無しだ。これからの救いは懺悔あるのみである。

同性愛もこの戒の違反である。男女の結婚愛というのは、かなり(宗教上は)深い意味があるようだ。例えば、釈尊は性器の不具がひどかったり異常が激しい人間は、法器になって人を指導する人間になる可能性がない、という理由で僧団には入れず、いたら追放した。僧は勿論セックス厳禁であるにもかかわらずだ。

胎蔵界マンダラ、金剛界マンダラという当たりに関連があるようで、スウェーデンボルグは詳しく解説している。仏教では、この辺は最も危険な領域である。この相応から左道密教が生じ、インドでピクラマシーラ寺で全盛となり、やがて滅んだ。密教歴史は河口慧海が詳しく書いている。この左道密教が日本でオウム真理教として最近現れた。チベットの仏教の半分以上は、この左道密教である。赤帽派(ニンマ派等)がこれである。私はネパール旅行のおり、この種のお寺にはお参りしないように気をつけた。(この種のお寺が実は多数派で、ひどい例では左道密教を悪魔の宗教と毛嫌いしていた河口慧海のジョムソンでの展示コーナーが左道密教の寺の一部に設置されていた)すべてが釈尊の教えと正反対になっているのが特徴である。酒をのみ、動物(場合により人まで)を殺し、詐欺をおこない、邪淫自体を修業項目(宗教儀式)にまでする。その人たちの理性が完全に破壊されるにまで荒廃する。サリン大量散布を製造プラントまで作りヘリコプターまで用意して本気で企てた(何のために?)(何のために?)(何のために?)オウム真理教の指導層をみれば良くわかる。恐ろしいことである。
ヨハネ黙示録17.3
緋色の獣に乗った女を見た。その獣は神をけがす名で満ちており、7つの頭と10本の角をもっていた。
とはこれではないのかと思っている。

こういう宗派に入ってしまう人は、マタイ24.19
その日、哀れなのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。
ということらしい。宗教を求める気持ちは非常に強いが、運(縁)が悪いらしい。
(続く)
http://d.hatena.ne.jp/Newshirogarasu/20090620/1245484991