不妄語戒ーー偽証するなかれ

嘘をつかない、という仏教とキリスト教の戒律であり、内容はわかりやすい。これは真実ということに反するからいけないのである。真実とは如来心の一つであり、善のひとつでもある。
日本では子供の教育でも、嘘をつかないようにと教えていて、この戒律は他国より広く守られているようだ。定価販売も、嘘をつかないという範疇の一つである。約束は果たすということでもある。借りた物は、ちゃんと返すことも関係する。ビジネスでも嘘がばれると信用がなくなり、倒産にいたることがある。不良品と知っていて販売することも嘘をつくことに含まれる。

嘘は泥棒の初め。嘘は泥棒の母。
というように常習的な嘘つきは詐欺につながり万引きとか泥棒にいたる。嘘をつくと、精神の潔癖さがなくなり、誠実さがなくなり、努力する忍耐がなくなる。精神の心棒というものが折れてしまう。たかが言葉だけと軽く考えてはならない。
身体での行為
発した言葉
行為として現れた意志
これらは身語意として同じ重さと仏教では教えている。

身体での嘘もある。男子なのに女装しているのが典型である。好きでもないのに思わせぶりをすることもこれである。

意志での嘘もある。決心して禁煙を誓ったのに、破ってしまうというのがこの種の嘘になる。神仏に誓ったことを破ってしまうのが典型である。

上司に嘘の事を告げ口して、社員がクビになり、一家が食えなくなって離散すれば、この嘘の罪は重い。
痴漢冤罪などで嘘の告発をし、訴えられた人の人生がメチャメチャになることがある。この嘘の罪は重い。
結婚詐欺とか、致命的な被害を伴う詐欺、悪徳商法なども罪は重い。
宗教で神仏を汚すことを言うのも妄語ということになり、人の霊的躓きの石ということで罪は重い。