諸行無常

諸行とは諸現象という意味。(河口慧海・正真仏教)
無常とは変化するということだ。諸行無常とは現実世界(色)は常に変転する。だから執着して苦しむなという教え。
GMは、かっては目もくらむ眩い超優良企業だったが、今は潰れてしまいそうだ。日本長期信用銀行も学生の憧れの就職先だったが、潰れた。日立とか、トヨタとか、野村證券とか日本を代表する大企業が8千億円もの赤字計上をしていますが、これが2年も3年も続けば潰れるところも出そうだ。
日本全体でみても少子高齢化は酷くなる一方だ。イギリスがたどったように、これから日本企業は強みをなくしていくように見える。残る少数の大企業はグローバル多国籍企業になっていき、日本との関わりは今より薄れるだろう。
地球温暖化の目標として炭酸ガス排出の7%削減以上を政府は対外公約したいようだ。産業界は、今でも十分苦しく危機的なのに、そんな公約をされたら、日本に工場などなくなり、就職口もなくなり、日本がさらにこれから貧しくなりますよ。と警告している。
地球温暖化防止の目標自体は人類全体でみれば立派な目標である。
しかし国どうしの駆け引きで、損をする国、得をする国がでてくる。
日本は京都議定書で、時の政治家がいい顔をするために約束したことで、外国に1兆円近くも支払ったらしい。日本で省エネができなかった罰として、他国での省エネ努力分を買うことになるからだ。
省エネ目標が低い国や、これまで省エネを全くやって来なかった国は目標達成は容易で、余った枠は売って金になる。つまり目標設定の外交力が巨額の不労所得になったり、外国への贈与になったりする。自国の実力より低い目標設定を国際的に認めさせた国は儲かり、自国の実力以上の目標設定を声高く宣言する国は損をする仕組みなのだ。
目標の厳しい国には工場は作らず、低い国に立地しないと企業の競争力は保てなくなる。
日本はズルズルと外交で負け続け(国民の無知ゆえに)、どんどん不利な条件をのまされ産業は衰退していきそうだ。不平等条約を自分から結ぶようなものだ。国民はシロクマが可哀想そいうTVをみて、温暖化防止に大賛成と言っているようにみえる。しかしその結果まで考えているのだろうか?自分達が貧しくなるのも自業自得かもしれない。本当に可哀想なのは日本の子供たちで親たちの無知のため不当に貧しく苦しい生活を蒙ることになる。
産業衰退で、正規雇用は益々減る。非正規雇用もさらに減る。
国民の収入が減るから、社会福祉の金も賄えなくなる。年金も減る。
国の借金は増え続け、やがてインフレになり、お金の価値が危うくなってくる。
貯金を持ってそれだけを頼りとしてきた高齢者も貧しくなる。
食えない貧乏人が激増してくる。
つまり日本が豊かだったのが完全に過去形になってしまう。子供は親より貧しく、孫はさらに貧しい。
今でも十二分にこの兆候はでている。個人商店は閉じたところが非常に多い。35歳以下の雇用と職場環境はとても酷い。
世界にいい顔できるだけの力が日本にそもそも残っているのか疑問である。
日本の豊かさが壊れていくのも諸行無常とみれば悲しむことでもないかもしれない。今度は中国人がそれだけ豊かになるのだから。日本人が貧しくなればその分の消費は減り、それだけ地球に優しい生活になる。日本は貧しくなったが、地球のために他国のために、進んでその道を選んだのだと胸を張るのだろうか?
日本は積極的に温暖化防止に取り組むべきで(ここまでは正しい)、国際社会をリードして目標を設定すべきだと主張する人は自分達の子供に責任を持てるのだろうか、その自覚はあるのだろうか?国際社会をリードして目標を設定すべきだと言ったとたん、国民は大損して外国と外国企業に何兆円、何十兆円も支払わされて貧乏になる。厭々をしつつ実質は非常に努力するというような態度が必要なのだ。今の中国がやっているように。
最近の中国は古い石炭火力発電所をどんどん廃止させている。上海とか杭州ではガソリンのオートバイは1台もない。電気自転車しか許されていないのだ。国民に痛みを強いる所まで努力しているという点では日本以上に努力しているのかもしれない。こんなに努力しているのに国際的交渉では削減目標設定に頑強に反対し続けている。これが史記にでてくる大国政治の芸術なのだろう。
一方日本のマスコミは削減目標を高く掲げ、生活水準を守り、ガソリン値上げに反対し、しかも原子力発電に反対する。ごねて泣く幼児であり、国際的には無知を嘲笑される以外の評価は受けない。こういう人が多いだけ日本は沈む。責任をもって高い削減目標を実現しようとするなら、ガソリンは値上げして、電気料金は値上げして、省エネ機器使用に強制誘導し、節約を強制して生活の利便性を犠牲にし、原子力発電を大幅に増やすという政策は必然である。レジ袋というようなごまかしで済む話ではないのだ。
プルサーマルとか火力発電の2酸化炭素閉じ込め技術への期待が語られることが多いが、地震国日本では大災害を引き起こす恐れが強く実現は他国より困難、実現不能と見たほうが正しい。プルマーサルでは金属ナトリウムを使うが、これは空気とか水に少しでも触れれば大爆発を起こす。地中の大量の2酸化炭素が地震などで地上に噴出せば何万人もが即死する。アフリカの火山噴火でこの大惨事は実際におきている。そこで噴出したガスは勿論自然由来ではある。
研究者のなかには自分達への研究費が増えることを期待して、過度に楽観論をばらまく人がいる。警戒すべきだ。
斉藤環境大臣は公明党である。そこで思い起こすのが、胡錦濤氏が訪日した時池田大作氏を表敬訪問したことだ。日本が今後中国に巨額支出を続けることになりかねない規制案に妙に積極的なのはなにが原因なのだろうとつい在らぬ妄想をいだいてしまう。
今日スーパーで200人もが長蛇の列を作っていた。お目当ては98円の卵(10個入り)である。普通価格198円が100円安く買えると言うだけで(1人1パック)20分も30分も待つ人が都会に溢れている。いゆいよ日本の貧しさは本物だ。政治家の楽観とのギャップは大きい。