福沢諭吉 人の道をまっすぐに行けば、すぐ神、仏
福沢諭吉先生の自伝「福翁自伝」は素晴らしい本で、読む人の心地を自ずから正さしめる。先生がいかに人格高潔で、人生通してそれを実践されてきたことがよく分かる。
先生はたぐいまれの大天才で、読むこと、聞くこと、漢学、オランダ語、英語、医学、物理学、数学、工学、経済学、法律政治、教育などあらゆる分野において、あたかも吸い取り紙が水を吸うがごとくであり、物事、時流の本質を深く洞察して、世に処すこと、まさに、「人生の達人」とも言える人である。
先生は、宗教に深く入った形跡はないが、父親は漢学のすぐれた学者、兄もそうであったようで、孔子、老子、荘子、荀子等々を深く学び覚えていたから、正しい人の道、は身に染み付いていたようで、生涯に渡り、それを貫いた。母親も優れた人格者で、この親にしてこの子あり。慈雲尊者の母の如くであったようだ。
「人間の道をまっすぐに行けば、すぐ神、仏の世界。」と大神様は常に説かれ、人間にとっていちばん重要なことは、真人間の道を踏んで、真人間になること、天に恥じない道を踏むことと説かれ続けた。人間は、何よりも足元の自分自身を正しい人間にすることが重要で、福沢先生が生きた実例。中曽根(大勲位)さんが若い頃大神様を訪ね、自分は日本をこういう国にしたい、こういう政治をしたい、と熱意に燃えて話したところ、「立派な政治家になるより前に、まず立派な人間になるようにしなさい」と大神様は指導されたそうです。プーチンを見れば、今程、この言葉の価値が分かる時はない。