単純な人

 大神様は「神様は人間のかしこいのには愛想がついた。馬鹿になれ。馬鹿になれ。阿呆馬鹿ではやれないけれど、己の我を捨て正しき神のなさるがままの無我の馬鹿にさえなりゃ、だれでもやれる神のみ使いわかるなら、やっておくれよ神国のおんために。」という説法を度々なされた。人間は神様から見れば、どんぐりの背くらべ。自分が、自分がと、自分を自分で認めたいためだけに、焦りあがく愚かさに気づけと説かれた。人間の《自信》が、神への盲目につながりやすい。これが、人間の利口には愛想がつく。という意味だろう。
 馬鹿になると、自分は神様しか見なくなる。自分の損得とか、他人の思惑を推測して行動するとかの、面倒なことがなくなる。自分と神様しかいないのだから、世の中すべてが超単純化される。素直に生きればよいだけになる。神様が「他人に迷惑をかけるな」といわれるから、他人や社会に対する行動基準はこの一点だけになる。
 この様に素直な、善人は誰からも自然と愛されるようになる。まわりの人々や雰囲気を良くする力(法力)が備わる。問題は、このような《無我の馬鹿》には、どうしたら到達できるのかである。
 大神様は、「米(結果)を、いきなり望んではいけない。自分は稲苗を植えるだけ」という指導をされたことがある。神様の言葉を聞いて、日々実行を積み重ね自分を直して向上していく。自分の悪癖を見つけ、反省を欠かさず、少しづつでも直していく。正しいお祈りをする。人に迷惑をかけない。これが到達できる道である。

 悪癖の例

1.短気ですぐ腹を立てる。
2.思い切りができずに、いつまでも引きずる。恨みが晴れない。亡くした者や物への執着が晴れない。何故自分だけが、と思い続ける。前世の因縁から、自分が逆に過去に加害者であった可能性がある事を思い浮かべない。
3.女癖が悪い。男癖が悪い。
4.ケチ、ケチで自分の物、金を惜しむ。借りた物もすぐには返さない。欲張り。
5.酒癖がわるい。煙草を吸い過ぎる。おやつをいつも食べていて、胃を休ませない。
6.他人や、回りの環境、神様への感謝を感じない。
7.子供や配偶者を、支配しようとする。自分が”上”だから従うのが当然という意識が絶えない。
8.いつも後ろにいて、責任を持たされないように逃げまわる。依頼心が強い。
9.持続力がなく、飽きっぽい。やり遂げることがなく、無責任。
10.思いやる心が足りない。自己中心で、反省がない。我儘、気まま、勝手まま。
11.子供を自分の所有物のように錯覚し、自分の名誉欲のために、この学校に進学しなさいとか夢中になる。
12.嘘を直ぐつく。万引きをする。ギャンブルが好き。投機が好き。
13.言葉の暴力を振るう。悪口が絶えない。
14.経済観念がなく、贅沢で無駄遣いが多い。物を粗末にして、直ぐ捨てたりする。食べ物も無駄が多い。(都市部では住居が高価で狭い。そのため保管が困難で直ぐ捨てざるを得ない。外食などでは全部食べるとカロリー過多で糖尿病リスクが高まる。都市部の住民の悩みではある。)
15.不満と愚痴が絶えず、回りの人間の心を暗くする。
16.妬みが多い。
17.整理整頓ができない。掃除をしない。後片付けをしない。
18.つい見栄を張ってしまう。他人にどう見られる、どう評価されるかを過度に心配しすぎる。
19.自慢が大好きで、いつも褒められたいと思っている。人でなく、神様に褒められるようになるのが大切。
20.自分のことが自分でできない。他人を煩わせるのが好き。自分でしないで、やらせるのが習慣になっている。
21.自分が得することばかりをやる。食事の時でも、大きいおかずを家族より先に取るとか。。
22.自分が偉いと内心に思っている。地位が高かったり、財産があったり、資格を持っていたり、名家の出であるとか、容貌が優れているとか、利口であるとか。。自惚れがあり、他を見下す傾向がある。人の話をちゃんと聞かない。
23。何でも利用しようとする。家族、他人から神仏までも。
24.言い出したら折れない。強情を張る。
25.思考に自分大事、自己中心、自分というものが抜けない。自他完全平等の思考になっていない。

 などなどなど。。。こういう悪癖を克服して、取り去って初めて、《単純な人》になれる。これらの悪癖の根元に、《欲しい、惜しい》、《憎い、かわいい》、《好いた、好かれた》のどれがあるかを考えて見ると、悪癖の分類ができ、自分の改良すべきポイントが良く分かる。