天の利子は高い

 大神様(北村サヨ)はたびたび説法で《天の利子は高い》から注意しろと説いた。例として説かれる事例。

 (例 1)Aさんは村の八幡神社への奉納金の係をした時2円50銭(現在の感覚だと2万5千円)横領した。この悪事の利子は高くついた。7人いた子供はいずれも不良になり、監獄に入ったのもいた。当時の相続制度は長男がすべてを相続するため、財産相続した長男の死後、長男の嫁がすべてを売り払ったため、家屋敷は他人のものとなった。Aさんはお婆さんで身寄りがないため、立ち退かず、小さな小屋に居座り、玄関が封鎖されていたため、はしごをかけて出入りしていた。
 大神様は、深夜その神社の賽銭箱にお詫びして20円投げ入れれば、横領した罪が許されると言われた。お婆さんに10銭の金も無いさまを見られ、大神様は20円与えた。それを投げ入れるように指導された。

 (例 2)Bさんは村の大金持ちであった。正月にご馳走をつくっていると、飢えた乞食が食を求めに来た。乞食を罵り、何も与えず追い返した。乞食は恨んで「祟ってやる」と言い残し、数日後、近くで餓死していたのが発見された。Bさんの子供は若死にして、跡取りの孫は、放蕩者になり、湯水のように浪費して、Bさんは老人になった時には破産してしまった。

 悪事のつけは、どんどん大きくなるから、早く気づき、反省懺悔し、善行をもって償う必要がある。また善行が徳をつむことになり、幸運のもとになる。
 人間は生まれてきた時、前世の記録を持って生まれてくる。この記録(天の写真帳)の中に、徳の記録、借金の記録もある(天の貯金通帳)。誰かに尽くしてもらい、十分な感謝やお返しをしていないと、借金についている。今生に作った借金と前世から持ち越したすべての借金を、返し終えることができたら、死後即身成仏できる。返し終えられないと、次の生にこれらは持ち越される。
 前世で特定の人(妻、親など身近な人が多い)に特に大きな霊的借金(迷惑、苦痛を与えるなど)を作った人は、今生で、その生まれ変わった人がいれば、その人に直接返すのが最も早く効果的であると大神様は指導された。
 天照皇大神宮教で大神様が世話された結婚には、時々世間常識で測れないものもあった。これらは前世での彼らの因縁話抜きには、理解できない組み合わせであった。例えば、前世で小さな子供をおいて病死してしまい、残された配偶者が非常な苦しみを味わった。あるいは浮気して家を捨てたがために、残された家族が苦しんだ。これらの苦しみを与え、霊的借金を負った人が、生まれ変わってでてくると、かって苦しみを与えた人が、生まれ変わってでてきていれば、その人に、徹底的に尽くすことで、借金が返せる。この尽くす機会を与えるために、それにより即身成仏できるレベルに上がれるために、「世間的には不自然な、とても本人には不利な」結婚を勧めたケースがある。神様から見ると、霊的には一番有利で近道、しかし我々凡人にはそれがわからないケースである。天声の記録には、これらが非常に多く書かれている。

 典型例は海外の極めて不利な条件の男に子連れの戦争未亡人を再婚させるケース。
 「因縁がある者をわしは一緒にせちゃったんじゃけえ、行じていきさえしたら本当にどっちも助け合いのええ世界がある。別れていきゃどっちも神の肚に合わん者が見せしめ戒めの業さらしに使われる。だから行じていくのも神教よ。落ちて行くのも神教よ。大きな責任があるんで。後を救おうと思うて、こっち寄越して人間の道を踏めちゅうてあれだけ言うちょいたんじゃから、人間の道さえ踏んでいきゃ、後はええようになる。自分にも生きる道がつく。またそれをええ具合に先導して連れていきゃ、この一家も生きる世界があるんで。みんなお互いが行の相手。」と大神様は説いた。 和木みよ・旧姓臼井みよ:ハワイに大神様を呼び寄せた大功労者への最後のご指導である。
 当時養子夫妻とうまく行っていなかった。神様は行じる道を教え、「行じていけば生きられる道を与えられる。しかしその道を進むためには本人の悪癖を直さないと歩めない。神様が悪癖を直してくれるわけでなく、自分が直さないといけない。悪癖を直し、養子夫妻と仲良く助け合って行かない限り生きる道はない」とご指導された。後年このことが現実となった。

 このケースのように有名な人も、足元の家庭生活でつまずく例は多い。直せといわれる癖は、人によりケースバイケースで異なる。相手に折れる、感謝できる、腹立てをやめる、酒ギャンブルをやめる、今までの生活習慣を変える、住み慣れた田舎暮らしを捨てるなど様々であるが、自分の自我を取ることでは共通していて、誰にとっても難しい。
 功労が大きいとこの難しさはおおまけに負けられているが、その残りの苦労(行)は自分が実行しないといけない。これができた人は不思議に生き、幸福になっていることが今になってみると多くの事例でよく分かる。

 天照皇大神宮教では、お祈りの徳が非常に大きい。神様に直結しているため、奉仕・伝道の功徳も大きい。精神的苦痛・病気などの肉体的苦痛も霊的借金返済になる。このため即身成仏できる人も多い。これらの天の貯金通帳は、民族単位での総計、人類単位での総計もあるようだ。総計で財産(徳)が少なく、借金(罪の総和)が多くなると民族・人類の滅亡危機が迫ってくる。これを最後の審判と呼ぶ。この危機が迫ったため、大神様が出現して、人類に生き残りの道を教え、チャンスを与えられたと思われる。真に神教実行する人がいることが、国を救い、広くは人類を救うことになるのだろう。

 (例 3)未婚の娘に、この男と結婚するよう勧め、結婚して男の家に行くと、幼児がいて、前妻は逃げていた。親、弟妹もいて食堂をやっており忙しかった。一月もすると、家族から「腹黒い女だ。財産目当てに来た」と言われ追い出された。大神様に言うと手紙を書いてもらえ、それを持って再度婚家を訪ね、自分が悪かった、置いてくださいと頼むも、相手にされず離婚になった。そこで近所の同志宅で住み込み女中をしていた。一年後、大神様から呼び戻され、次の男を指名され再婚するよう命じられた。その男は3人の幼児がいて、妻が一月前お産で死亡したばかりだった。結婚後大神様は種明かしをされた。彼女は前世で7人の子供がいたが、家族を捨てて家出していた。その因縁を切るため、荒行をさせた。これで7分因縁が切れた。残りは自分が行をして切っていけ。とご指導された。