巷の神々・石原慎太郎を読む

本書は44年前に出た本で、再販されていない。古書で数千円から1万円もするが、それだけだしても入手する価値のある本である。私は最初、県立図書館から借りたが、すぐにこれは買っておこうと思い、入手した。
神秘体験と、心霊現象にかんして、これ程、よく幅広く調べられ、整理されて記述された本があったのは、驚きである。石原氏には、かねてより尊敬していたが、これ程すごいとは思わなかった。
「法華經を生きる」(石原慎太郎)とあわせて読むと更に良くわかる。
数カ所抜き出すと、石原氏は母親の重病が世界救世教の霊能者のお祈りで治り、自身の胃病も手をかざすことで治った経験を持ち、神通力の存在を疑わなくなった。胃病の時には、皮膚表面にそれまで長く常用していた胃腸薬の匂いのする黒いものがでてきて、それで快癒した。私も同種の経験をしている。氏はそれ以来、催眠術とか、心霊現象に強い興味を持ち、新興宗教の教祖たちに強烈な霊能者がいることを知る。産経新聞にそれを連載することで、全国の霊能者が流行作家であった石原氏にコンタクトをしてくることで、多くの霊能者に直接会って取材(調査)をした成果が書かれている。
A。弁天宗の開祖、大森智辯(大森清子、旧姓吉井清子)
智弁和歌山高校は甲子園で有名であるが、その学園の創立者でもある。
1 子供の時、母親が易者に、この子は「神の魂」をやどしていると言われる。
2.4歳の時、旅行の時、母親がスリ被害にあい、帰りの電車賃も無くなった時、清子は地面を掘り出し、50銭銀貨を取り出し難儀を救う。キリストは納税の金が無かった時、弟子に、湖で魚を釣ってきなさい。最初にとれたものの口に銀貨がはいっています。といい弟子が釣りにいくとその通りになった。
3.7歳の時、2重橋の写真を見て、やがて誰でもこの橋を渡れるようになると予言する。不敬罪になるため家族がしかるも、言を変えなかった。
4.17歳ごろの女工時代、たまたま豆腐屋で店番をしたところ、急に客が押し寄せ、記録的売上になった。店はそれ以来、時間ができると、清子に店番を頼むと、不思議にうれる。福娘と評判になり、方方から頼まれるようになる。
5.多数の奇跡を起こすが、生来の唖を直してもいる。
東京駅の新幹線で母親と手をつないでいた6歳の女の子が、手が切れて改札手前に取り残されていた。そのとき、あるおばさんが手をつないでその子を改札から通し、一緒にホームまで行こうといって、エスカレータで上がった。その子は母親のところに戻り、おばちゃんに手をつないでもらった、と言った。母親は腰を抜かして驚いた。その子は6歳の今まで、完全な唖であったから。
おばゃんこそ、大森智辯であった。
6. 真言宗十輪寺の住職に、夫がなり、十輪寺に住まうようになると、そこの本尊、弁財天女像との”相応”が起こる。
像が傷んでいるーーー病気になる
像の修復にミスがある(肩)ーーー肩が痛む
像が横向きになってしまうーー横が向けない
信者が深夜、本尊に願掛けをするーー自分の体に響いてねられなくなる
自分が寝ていると寝室の外側の麩や壁に、夜虫がビッシリつく。ーー霊光に虫がよってくる
7.石原氏自身があったときには、石原氏が困っていたことを、言わないうちから指摘し、それが、ある時期解決するといい、その通りになった。

ーー続くーーー