天声63号 本部道場余録 (紀元14年3月号)

 第一回支部同志修錬会が2月6日より8日まで開催されたのでした。参加同志は老若男女約250名、終始はりきった行をさせて頂いたのでした。大神様の御説法に魂の掃除をさせて頂き、神教講座に、神教の総復習をして神念をかため、一人歩きの行の肚ごしらえをさせて頂いたのでした。特に6日の開会式に引き続く大神様の御説法の中で、次の部分は参加同志の胸をえぐり、今までの腰かけの行から立ち上がらして頂くべく大きな肚づくりをさせて頂いたのでした。

 道場は役座の休み場じゃ、言うた言葉がいよいよ実現する時が来ましたよ。「おサヨ、長しゅう我に苦労をかけたがのう、これからは我は休めえよ。皆がわからん所を問うのに相談相手になってやれ、もう14年も説いてやったんじゃからのう」と毎夜のように肚が言い出した。お天父様に暇を貰った役座なら、役座の説法あてにするな、あとは八百万の神に頼んだよ。行には行の過程がある、60になった白髪ばばあにいつまでも同じ行を天父がさせはせぬ。

 神歌説法をせられる大神様も涙を浮かべられ、またそれを聞き入る同志もすすり泣き、心の中で「今度こそやらせて頂きます」と叫んだのは筆者一人ではなかったことでしょう。

 修錬会の最終日8日は岩城山の植林日でありました。この一年に亘って雨の日も風の日、暑熱の夏の日も、凍るような冬空にもご奉仕をやり通させて頂いたかいあって、いよいよ予定通りの紀元節の前日、全山植林の段取りとなったのであります。あの足の踏み込む所もない、ジャングルのようだった山も立派に切り開かれ、きれいに片付けられ、すべての準備を終わり、植林を待つばかりとなっておったのであります。思えばこれまで同志の真心づくしの御苦労に対しただただ襟を正して深く感謝のあるのみであります。その総仕上げである記念すべき日に大神様には、同志の熱意に答えて、山に上がられ、記念植樹をして下さることになったのでした。何しろ急坂の山道を上がらなければならないので、若い同志は乗物を特別に作り、大神様をかいて上がらして頂こうと以前より用意してお待ちしたのでした。もちろん、大神様には、そのような気を使うことはないとの神言があったのですが、もし御肉体におきついことがあってはと、たってお願い申し上げて乗物に乗られたのでありました。しかし大神様には「これほどせんない思いをしたことがない、ありがたいやら、もったいなやら、気の毒やらーー歩いて登るより辛かった」と涙と共に言われる大神様を仰ぎ、いくら真心を尽くしても尽くしきれない大神様であられると、再び感激にうち震えるのでした。

 山上での御説法(本誌巻頭に掲載)の後、梅の苗木3本の記念植樹をなさる頃から雨模様となりましたが、雨の中を厭うことなく植林は進められました。大神様には晴れ間をみられて、山の頂上まで徒歩で登られ、同志の植林を御視察になり下山されました。一日仕事の計画である植林も、午後早々と終了、折からの雨に苗木の活着は受合い、頬を打つ雨も何のその、歓喜と感激に満ちて、帰途についたのでした。

 明けて2月9日は紀元14年の紀元節、午前中は前夜からの雨が降り続いておりました。朝突然、昨年6月、本部を訪れたことのあるデンマークより来日中の牧師、ハリートムセン氏が再び来訪されたのでした。同氏は昨年日本で初めて宗教らしい、宗教をここに発見した、と喜んで帰られ、再度の来訪となったのであります。良い魂の持主は人種を越え、国境を越えて共感することをつくづくわからせて頂ました。同氏は2時間本部に滞在、大神様のお話や神歌に耳を傾けて、また7月22日の御説法開始記念日の来訪を約して帰って行かれました。

  

 昨年も一昨年も紀元節の日には雨が降りましたが、今年の紀元節も雨で、放送施設が整ったので、道場はおろか各宿舎も埋め尽くして式の開会をお待ちする有り様、それでも道場前のお庭は傘で埋まってしまい、新道場を一日も早く建設されなければならないと、誰しも痛感したのでした。しかし午前の式の終わる頃は雨も晴れ、午後は無我の歌と無我の舞で、神の国の弥栄を心ゆくまでお祝い申し上げ、今年こそやらして頂きます、あの岩城山のあの大仕事を小手試めしにさせて頂き、今その完了を見た上からには、次の又大仕事を必ずやらせて頂きますと、大きな大きな肚作りをさせて頂いて、記念すべき紀元節を終わらせて頂いたのであります。 

 「行には行の過程がある」といつも仰せ下さいますが、大神様の御行も次々とお変わりになるように拝されます。昨年秋から暮にかけ「この頃は毎日のように手紙を書かされる。日には8通も10通も書くことがある」と言われ、殊に海外の方々などへの個人的御指導の御行が大変おありになった御様子でありましたが、今年に入り、その逆で「この頃はいっそペンをとらさん、書こうと思うて机の前に座っても、いっそ書かしやらん。ただ一生懸命お祈りをさせやる、自らペンを取って個人指導する教祖が他にどこにあるか、あまり書くと、皆が当たり前と思うようになるから書かしやらんのじゃろう」との神言であります。

 一方昨年暮、福岡テレビ放送局からテレビの取材に来られたのを手始めに、ラジオ山口、NHK, 大阪毎日放送、と次から次へと大神様の神言を取材に来訪「文明科学を利用して飛ぶ」との神言のごとく、神教が電波に乗って伝えられて行く時期の到来したことを思わされます。また来る3月7日の夜10時より10分間、新しく開局される大阪毎日テレビ放送局よりブッツケ本番で出演されることになっております。いよいよ神教えが世に出てゆく時、み跡に続く同志の責務の益々重かつ大を感じ、しっかり行させて頂きましょう。 (中山)

(注)3月7日午後1時半から4時まで大神様は大阪中之島中央公民館大ホールで公開説法をされ、夜10時から10分間、大阪毎日テレビの「ニュース編集室」でご説法を放送された。

2月6日の第1回支部同志修錬会において、大神様は、

夜昼あの放送局、テレビ、新聞、雑誌とやらいろいろ来る。「あれには真剣にいちゃれ。道場で千べん言うより、それで広まる」と言いやる。文明科学で崩れる時じゃけえ、文明科学を利用して飛ぶと言いやる。それじゃから、ラジオで聞いた、テレビで見た、雑誌でみたというて、手紙を一杯送ってくるよとお話されている。(天声第64号に掲載)