ユーゴスロバキア崩壊を観て
BS世界のドキュメントの録画で6回シリーズのユーゴスロバキア崩壊を観た。現実の国際政治と、国連の力などがよく分かる優れた番組である。イギリスで1996年に制作されている。圧巻は
1。クロアチアのツジマン大統領、ユーゴのミロシェビッチ、カラジッチ、ムラジッチなどの当事者の生々しい証言。ツジマン、ミロシェビッチは互いに戦争しつつも、裏でボスニアを分割して自国領土を拡張するために裏で取引して合意していた。まさにスターリンとヒットラーのポーランド分割協議のようなことが今もおこなわれていた。民衆レベルでは双方で戦争回避を訴えるデモが起きたが、何の効力もなかった。
2。自衛軍が壊滅したあとの、”民族浄化作戦”(男は皆殺し、女は強姦してから追放、全財産の収奪、等)がヨーロッパで1990年代に大規模に行われた事実。これはセビリア側がクロアチアで行い、ボスニアでさらに大規模に行われ、何万人もの虐殺がされた。形勢が変わると、セビリア人に対し、クロアチア側からも、たぶんボスニア側からも行われたようだ。たぶんその後のコソボでも、セビリア、アルバニア双方で規模の相違はあれおこなわれただろう。ルワンダ虐殺、スーダンのダルフールでの虐殺、ソマリア内戦、イラクでの宗派間、人種間戦争状態など、世界中で起こっているが、ヨーロッパでさえ起きる現実に我々は目をつむってはならない。人間の本性は、第2次大戦後も何も変わっていない。アメリカの圧倒的な力で平和が維持できているだけで、これがゆるめば、どこでも吹き出すだろう。ユーゴの戦争はロシア崩壊で、それまで押さえつけられていたものが噴出す過程で起きた。
3。国連軍はなかなか動かない。国際世論が形勢できてくるぼどの大規模で極端な迫害、弾圧が実際に起こり、これが報道されて、迫害されている側を真剣に救おうという有力国があり、侵略国を後押しする有力国が存在しないという、特殊な状況で初めて発動される。
だれでも自国兵士の犠牲はさけたいから、他国間の紛争には目をつむりたい。
アメリカでさえ、我々は世界の警察官ではないと国連で発言し、当初は介入に消極的であった。
4.間接的な原因が第2次大戦時にクロアチアがナチスと協力して行ったセビリア人大量虐殺の記憶であった。
教訓:
日本人と日本という国家を今後とも永続的に存続させるには、日本にも強力な独自の軍隊が必要である。
今は強力な米国と同盟しており、その庇護のもと安全を満喫できている。しかし、アメリカで政治的大変革が起こり、日本を見捨ててかまわないという政権が生まれる可能性もある。
元寇の時と違い今は海などなんの防御にもならない。隣国にに侵略的な独裁者(英雄的政治家)が現れる危険に備えなければ、日本はいずれ滅ぼされてしまうだろう。