Youtube時代・誰もが情報にアクセスできる時代

1月22日武漢市が都市封鎖された。あまりの異常事態にネットで調べていくと、Youtube武漢市民が投稿している多くの動画が見つかった。海外にいる中国人同胞に救助を求めているものが沢山あった。病院に殺到した患者、廊下や玄関に放置されている死体、発狂寸前の医者、圧倒的に不足する医療防護品など深刻なものである。このころ中国政府のネット検閲は弱く、多くの映像が日本でも見られた。コロナウィルスの解説や、RNA遺伝子変異の解説など専門家の動画もあった。中国官憲の強引な統制、団地の封鎖や移動取締の動画、また裏金を払えば誰でも裏口ルートが開くなど、面白い中国の習慣を証言したものもあり、毎日PCに釘付けになった。
一方たまに見るTVのニュースは間抜けなもので、中国の感染・被害状況を中国政府発表そのまま流していた。武漢市の死者数など1桁も2桁も違っているようだ。これをフェイクニュースというのだろう。また中国から逃れてきた人たちのネット情報に、中国政府発表統計はほとんど加工されており、嘘が至るところに混入しているという動画もあった。中央政府が目標をたてると、地方政府はその目標にあった結果を実態に関係なく報告する。そうしないと地方政府の官僚は出世できないし、左遷されてしまうから。これを裏付ける中国地方政府の指示通達などの内部文書も動画では見られた。
2月中旬頃から中国ネット検閲が厳しくなり、3月には更に強化された。病院や死体焼却場などの動画投稿をした市民は逮捕された。
病気が世界に拡散していくと、イタリア・スペイン・ドイツ・イギリスなどの市民生活・都市封鎖の様子などの動画が多数見られるようになった。現地在住の日本人が、日本にいる我々に、病気の実態と日本での対策強化を警告している親切なものが多かった。
次はニューヨークなどアメリカからのものが多くなった。
一方米中の対立激化の様子が日々Youtubeで見られた。ニューヨークで感染爆発が起き、医療防護品が大量に必要になり、大統領令まで出して、3M,GMなど米企業に製造供給するように命じた。しかしこれらの企業の工場が中国にあったため、マスクなどを入手できなかった。米中摩擦は昨年からの関税上乗せと貿易交渉などで関係悪化が始まっていたが、中国が「アメリカをコロナの海に沈める」と公言して、中国からの医薬品輸出を制限したため、トランプ政権は非常に怒った。米企業の医薬品のサプライチェーンでは90%以上が中国に関係がある実態が明らかになり大問題になった。
中国は1月初め(武漢が有名になる前)から世界中でマスク・防護服・消毒液などの医療防護品を現地の中国人ネットワーク・中国系企業などを総動員して買いあさり、中国に送っていたため、感染爆発が起きると世界各地でマスク不足などが深刻であった。日本でも、市販の医療品は勿論、地方自治体の備蓄用品、原子力関係の放射能防護服まで集めて中国に送っていた。多くは善意の支援であったが、日本の政治家でも、その後の日本での感染爆発を予想して危惧した人もいた。その後の展開は危惧どうりになった。台湾など一部の国は医療品輸出禁止をいち早く実施した。 

中国は病気の深刻さを当初から熟知しており、そのため厳重な都市封鎖・行動規制を実施した。その実情を隠し、自分が支配するWHOを使い楽観論をばらまいた。WHOは「人から人へ感染しない。入国制限すべきでない。」と言った。各国が油断している間に医療品をすべて集めた。各国へ自国民(保菌可能性あり)は旅行させた。各国が感染爆発で苦しむ時、中国の優位性が際立ったように見えた。余りに完璧だったため、これは計画的だとの疑念をもたれてしまった。

中国は体制の優位性を示す「マスク外交:医療品供給を外交に使う」を始めたが、完全にこれは裏目に出た。中国では厳しく情報統制し、リモートコントロールしているWHOも使いごまかしていたが、「新型コロナは中国武漢が発祥」というのは全世界が知っていた。さらに、一部では、中国軍の細菌兵器研究で作られたウィルスではないかとまで言われている。自分で作って、漏れたあと、武漢市民に情報統制して知らせず、それにより感染爆発が起きた。大量の保菌者を海外旅行に自由に行かせたことにより、全世界にウィルスをばらまいた。こう見ている国もアメリカ始め何カ国もある。トランプ政権の次期公約には「中国に責任を取らせる」という項目まである。中国との友好関係・貿易利害・進出企業などの考慮で、言わないだけという国も多い。   
6月に入り香港に国家安全維持法が中国政府の指示により導入されることがわかった。その内容に世界は呆れた。誰でもどこでも(香港人でも外国人でも、香港・香港外でも)反中國の言動をすれば、この法律により犯罪者になるという条項まで含まれていたからだ。
ここで中国本土では法治が、非常に恣意的であり、当局の意のままに何でもできる恐ろしい国であるという実態が明らかになってきた。さらに宗教弾圧・少数民族弾圧などの話がYoutubeで多く出てきた。
宗教弾圧は法輪功弾圧に始まる。法輪功李洪志が大古代の神霊の啓示を受けて1980年代に開いた立派な宗教である。鄧小平の宗教自由の政策のもとで大発展し、中国での信者(法輪功修練者)は一億人にまでなった。当時の支配者江沢民は、この組織が共産党の組織9000万人を超えたことから危機感を持ち、法輪功弾圧の秘密公安機関を設立して、全国的に徹底弾圧に踏み切った。教祖は1996年アメリカに移住した。この弾圧はエスカレートし、人道の罪と呼ばれるまでになったようだ。人体展という展示が日本でも各地の教育委員会の後援まで得て行われたようだが、この「標本」の出どころはどこなのかという疑問があった。法輪功関係者は、大勢の信者が大連の特別施設で殺されて標本にされた、と主張している。また臓器移植のために利用され殺されたとして欧米・カナダなどで問題になり、日本でも山田議員により最近国会で取り上げられた。
キリスト教も弾圧され、教会が破壊されたり、信者が逮捕されたり、墓地が破壊されたりした。聖書などキリスト教関連図書の出版・配布が禁止され、海外からの持ち込みも禁止されている。十字架のシンボルも小さくするよう指示があるという。
基本的に、反政府になる可能性のある組織・思想団体は危険視されている。
チベットは独自の文化・言語・民族・宗教を持つ国であったが、毛沢東によって征服された。中国は漢民族を多数移住させ、北京語教育を推進、チベット語を学校教育から排除、混血化の推進などの政策を長期に渡ってすすめ、文化・言語・民族を失わせ中国化を進めた。仏教寺院に毛沢東習近平の写真、中国国旗を掲示させ、仏教学習に共産党イデオロギーを入れるように強要して、チベット仏教を破壊しようとつとめている。仏教僧侶は抗議の焼身自殺を続けており1000人以上も死んだようだが、当局には痛くも痒くもない。
イスラム過激派のテロが中国で行われた時、イスラム教への弾圧が始まった。イスラム教徒が密集している地域はウイグルチベットなどである。ウイグルでは大規模強制収容所(300万人規模という人もいる)が作られ、思想と宗教の改造「教育」が実施されているといわれている。文化・言語・民族・宗教の独自性をなくす政策である。混血化の強要は「民族浄化」としてユーゴ紛争などでも行われた蛮行まであると告発する人もいる。イスラム教徒に豚肉を強制して食べさせ、酒を飲ませ、戒律を破らせる、漢民族との結婚を拒否する娘に不妊手術をするなど、国連人権委員会で証言する人まででてきた。
内モンゴル自治区で9月1日より、学校教育に北京語を使い、モンゴル語を禁止することが始まり、この地方は現在大揺れである。またモンゴル語の書籍が大量に廃棄された。実情はモンゴル語を消滅させる政策であるが、中国政府の巧妙なところは、実施に当たり公式文書は出さないし公式発表もしない。2ヶ国語併用政策だと嘘もつく。これで外国が批判しにくくなる。モンゴル人海外ネットワークに現地モンゴル人が真実の情報を流し、彼らがYoutubeに投稿することで我々も知ることになる。モンゴル国前大統領はモンゴル語消滅政策は文化虐殺だと欧米にメッセージを送り非難している。
これらの情報は、テレビのニュースなどではまず出てこないし、出てきても事の本質がぼかされ、そらされている。テレビ・新聞など主流メディアの存在意義を疑い、有害と考える人も増えてきた。
さらに外国工作機関によるマスコミ業界への浸透、情報操作疑惑などYoutubeでは大いに語られている。 
日本以外の各国には情報機関(対外諜報機関・国内保安機関)があり、国の安全保障の根幹であるというのが常識である。日本は無条件降伏により、占領軍から、このような組織を持つことを禁止され今に至っている。公安警察は多少の保安機関であるが、スパイ防止法がないため機能は限定されている。強国は積極的に外国世論工作を行っている。戦前の日本もそうだった。中国は年間100億ドルも使い、欧米メディア工作を行っていると主張する人もいる。ハリウッド映画界、ニューヨーク・タイムズ、ウオールストリートジャーナル、CNN,など広範囲で、日本の毎日新聞も含まれているとイギリスで報道された。国際企業は国籍の異なる社員を多く採用しているが、日本のテレビ局・新聞社もそうである。彼らが「お国のため」と考えている時、「日本」でなく「韓国」だったりする。(日本のミサイル防衛政策に関し、)韓国の了解をとっているか、と質問した東京新聞の記者さえいる。産経新聞・読売新聞など一部を除いて日本マスコミの論調には、「日本を貶めたい」「国を愛することは悪である」「政府・官僚は悪」「権力は悪」というものが多い。積極的に倒閣運動をする朝日新聞東京新聞などのグループもある。財務事務次官若い女の記者(テレビ朝日・上司の夫は朝日新聞副編集長)を近づかせ、親しくなったら録音機をもたせてこっそり録音し、倒閣運動の決め手に録音を公開する。これは報道機関がやることでなく外国諜報工作機関の日本政府に対する破壊活動である。スパイ防止法があれば当然捜査対象になるが、ないため違法とされない。最近変死したソウル市長は反日工作の中心人物で、対日工作費を多く持ち、日本の市民運動家や沖縄辺野古反対運動に投入してきたと指摘しているサイトもある。
日本マスコミに感じる「なんだかなぁ~」「なぜだろう・なぜかしら」がわかる気もする。

共産中国では「真実」は価値がなく、政権・個人の利益になるようにすべての物事を見て、解釈するのが、マルクス主義であるとされている。従い歴史的史実などには価値がなく、平気で捏造して主張する。統計数字や被災者状況なども同じである。嘘は100回つくと真実になる、という国である。日本の「嘘は悪」という文化・常識・道徳とは根本的に異なっている。日本マスコミは協定で中国公式報道をそのまま使うようになっているので、日本人は日々洗脳されている。

中国は14億人の国民と9000万人の海外中国人を持ち、広大な国土、世界第2の経済大国で、膨大な軍事費を毎年増加させ続け強力な軍事大国になっている。日本は飲み込まれないように最大の注意と対策を払い続けないといけない。そうでないとチベット族ウイグル族の二の舞になり、日本の歴史・文化・言語・組織・富をすべて破壊され、日本民族が根絶され中華民族にされることになりかねない。香港・台湾・尖閣と連鎖して対中国問題は日本の根幹に関わるし、韓国・北朝鮮もそうである。マスコミは森友・加計・桜を見る会とか枝葉末節の問題に国民の関心をわざと向けさせ、大事なことから国民の目をそらせているように見える。これは中国・韓国などの戦略の一環に見える。相手を油断させ、相手が馬鹿になることは全てに渡り好都合だから。

「天下は安定していても、戦争を忘れると必ず危険が生ずる」

中国軍の幹部が書いた21世紀の新しい戦争論「超限戦」の新戦争論はこの言葉から始まる。軍事的手段、超軍事(外交戦・インターネット戦・情報戦・心理戦・技術戦・密輸戦・威嚇戦)、非軍事(金融戦・貿易戦・資源戦・経済援助戦・法規戦・制裁戦・メディア戦・イデオロギー戦)これらを織り交ぜて、外国を屈服させ征服できる、この20年中国が実行してきたことのバックボーンとなっている本と言われている。